こんにちは。稲葉です。
テニスの楽しみ方の一つとして「ダブルス」をすることが多いですが、普段のレッスンでもお伝えしている内容も含めて、可能な限りの戦術パターンをご紹介したいと思います。
もちろんプレーヤーのレベルによって状況が変わるので、様々な対応や解決策がありますから、答えは一つではないのですが、「こんな方法もあった!」と、何かのお役に立てられれば幸いです!
Ken’s成田校のコーチたちの得意なパターンだったり、悩んでいるパターンや、技術的に考えていることなども、ご紹介できればと思います。
まずは、「雁行陣」で戦う際のシーンを想定して、パターンをいくつか紹介します。
雁行陣での戦い方に、キーワードとして以下の点を挙げます。
①深いボール
②浅いボール
③角度のあるボール
④ロブ
⑤ストレート
⑥前に詰める
⑦役割(後衛と前衛)
第1回目は、後衛の役割として、「深いボールへの対処」についてです。
ここでは、サービスとレシーブ後の局面を想定した展開です。
雁行陣vs雁行陣のラリーで、相手のボールが深いところにクロスに入ってきました。
ストローク力の強い相手は、このようにして返球しにくいところを打ってきます。
そのボールに対して、ストローク力に自信のある方は、おそらく迎え打つことが多いと思いますが、よくこのような展開になってしまうことが多くあります。
相手の深いボールを無理に攻めに行くと、ネットにあるセンターベルトの右寄りに振り遅れることが多くなり、それを待ち構えていた相手「前衛」にポーチを打たれて決められてしまうことがあります。
さて、この場合、皆様ならどうしますか?
振り遅れる原因として、以下の要因が考えられます。
①テイクバックが遅れた
②無理にライジングで打ちに行った
③手打ちになってしまった
④コートの内側に立って構えてしまった
⑤スタンスに無理があった
⑥肩が入っていなく、身体が開いていたことで、読まれてしまった
⑦グリップチェンジが間に合わなかった
⑧スプリットステップ、フットワークが不足していた
まだ、他にも考えられる要因があると思います。
さらに、極端に守りすぎて、ストレートに「ロブ」で回避してしまうと、これも相手「前衛」が待ち構えており、スマッシュを打てれるケース(特に男子ダブルス)が多くなります。
女子ダブルスの場合は有効な返球方法になる場合があります。相手のスマッシュの力量を判断した上で、ロブの使用を考えますが、相手の深いボールに対して、位置を後ろに下げられたら、ロブも長い距離を打たなければならないので、打つ軌道の難易度は高くなることが考えられます。
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さらに、相手の深いボールに対して、クロスになんとか返球できたとしても、浅くなったり、浅い角度のついたボールになってしまうケースがあります。
そうなると、相手「後衛」の展開が広がり、ストレートに打たれるリスクが高まります。
そして、相手の深いボールに対して、無理に「ストレート」を狙うと、やはり深いボールの返球は難しく、上手な前衛はこのストレートを待ち構えていることが多いです。
つまり、深いボールを打たれると、非常に厄介なのが、相手の「前衛」なのです。ここを回避したいところです。
ここで対策として、「深いボール」を打たれた時は、まず、ベースラインよりも下がった位置で打ち、スペース(場所)を考えなければなりません。そして、基本的に「クロスに深いボール」を返球し、下げられたポジションを取り戻す「時間の確保」も意識したいところです。
あまり腕力に自信のない方、または女性の方は、相手の「前衛」に捕まらない「軌道」を考えなければいけません。
そこで、「中ロブ」をしっかりと打てるようにすると、相手「前衛」に捕まりにくく、さらに「深いボール」で返球することが容易となります。
さらに、ストレート側との組み合わせにより、この「中ロブ」が活きて、相手「前衛」は、なかなかポーチに出にくい状態になります。
ポイントは、相手の良い打球に対して、無理に・強引に、さらに良い打球を返球しようと考えすぎず、この「中ロブ」を上手に活用して、「緩急」を織り交ぜることにより、自分自身だけでなく、ペアも「ペースを回復」することが出来るのです。
・緩急を織り交ぜた「中ロブ」を使うことで…。
①相手のポジションを下げる効果がある
②高い打点が苦手な方への、ストライクゾーンで打たせなくする効果がある
③ご自身のペアの「前衛」が、「中ロブ」に合わせて、ポーチに出やすくなる
④リカバリーするための「時間」を回復することができる
もちろん対策はこれだけではありませんが、いかがでしたでしょうか?
一定のテンポだけでラリーするのだけではなく、「緩急」を付けたボールは、ゲームにおいてとても重要になります。
続きは2回目で紹介します。